昔、作成した債務整理の原稿です。このサイトは原稿の保管用のサイトです。


 P3 種類と概要



 「任意整理、他」について

■ 「任意整理、他」について
 任意整理や過払い金返還請求においては、まずは、和解交渉を行います。和解交渉の前提として、計算方法には、「連結計算(借換え・借増し)」「推定計算」「冒頭ゼロ計算」等々があります。最近は、「弁護士・司法書士に依頼すれば簡単に借金問題が解決してお金が戻ってきた。」といった広告が多いせいか、「自分で貸金業者と交渉するので引き直し計算だけ依頼したい。」との電話を受けることがと時々あります。しかし、現実には請求のみで過払い金の満額の返還を受けるのは困難です。そもそも、計算方法についても貸金業者との交渉内容になります。そのため、自分で計算できない場合には債務整理に関する知識が不足していると考えられますので、もっと勉強して自分で計算できるようになってから、貸金業者と交渉するのがお勧めです。なお、大手の貸金業者も倒産するありさまなので、貸金業者も簡単にはお金を返してくれません。
 和解交渉については、残債務がある場合には、分割払いの交渉を行いますが、分割払いの期間は3年くらいが目安になります。他方、過払い金がある場合には、過払い金の返還請求を行いますが、貸金業者が請求した金額を払ってくることはほとんどありません。いくらか減額すると比較的早期に支払いを受けられることもあります。そのため、和解交渉では、どれくらい減額すれば、いつごろ支払ってもらえるかについて交渉します。そして、過払い金返還交渉においては、和解が成立せず裁判を起こすとなると、印紙代・切手代・資格明書代等や司法書士報酬等がかかりますので、その点も考慮して、過払い金から裁判の費用・報酬を差し引いた額を最低ラインとする等、減額する最低ラインを決めて交渉を行います。
 そして、過払い金の請求額を減額して交渉しても、貸金業者が過払い金の1割や2割しか返せないと言ってきたような場合には、訴訟を提起することも考えたほうがよいでしょう。
 もっとも、訴訟で勝訴してもなかなか過払い金が返ってこないということもあります。
 数年に渡る過払い金の返還により、貸金業者も疲弊し、かっての業界第一位の企業も倒産するような事態となっています。すると、訴訟を起こして全額返還の判決をもらっても、貸金業者が倒産すると判決も「絵に描いた餅」になってしまいます。そのため、過払い金返還請求は早急に行う必要がありますし、訴訟を起こしても貸金業者がいくらか支払ってくれるようでしたら、多少譲歩しても和解するのが有利なこともあります。

 「特定調停」について

■ 「特定調停」について
 特定調停とは、裁判所において調停委員を挟んで貸金業者と分割払いの交渉を行うことです。
 貸金業者に対しては、まずは任意整理を行います。任意整理とは、貸金業者と毎月の返済額の見直しと分割払いの交渉を行う手続きです。そして、任意整理を行ってみたものの、どうしても貸金業者との間で交渉がまとまりそうにない場合には特定調停を検討することになります。
 特定調停は任意整理と同様に債務を分割払いにすることを目的としますが、任意整理と異なり調停委員が介在するため貸金業者と直接交渉せずにすみます。また、調停委員による合理的な解決も望めます。貸金業者と和解の交渉に及んだものの交渉が難航するような場合には、そのままいたずらに交渉を続けるよりも裁判所に特定調停の申し立てを行い裁判所において調停委員の仲介のもとで貸金業者と和解の交渉を行い、毎月の支払い額の減額を求めたり、返済期日の猶予を求めたりする方が有効な解決方法と言えます。
 これまでは、貸金業者は違法に高額な利率で貸し付けを行っていたため、それを法定の低い利率で計算し直せば債務は減少しました。しかし、現在では、ほとんどの貸金業者は法定利率の範囲内の利息で貸し付けを行っているため、計算し直しただけでは債務は減少しなくなっています。そのため、特定調停は有効な手段です。
 特定調停において合意が成立すると、調停調書が作成され、あとは、残りの債務を原則として3年程度の分割払いで支払っていくことになります。特定調停のデメリットとしては、調停調書は債務名義となるため、返済を怠り期限の利益を喪失すると、相手方は強制執行により給料や銀行預金を差し押さえることが可能になります。もっとも、そもそも返済が遅れるような場合には、今後も返済を続けていくのが困難と考えられ、そのような場合には、自己破産等をも検討しなければならないので、差押えを受けることもデメリットと言うほどのものではありません。
 なお、特定調停を行うには、裁判所に対して申し立てを行う必要があります。管轄は簡易裁判所になります。簡易裁判所は、原則として相手方の住所地等の簡易裁判所になります。

 自己破産」について

■ 「自己破産」について
 自己破産とは、債務の支払が不能の場合に、裁判所に対して破産の申し立てを行い、裁判所が免責の決定を行えば、全ての債務が免除される手続です。これにより、債務者の経済生活の再建が図られます。
 破産の手続は、破産者の財産を処分してそれを債務の弁済にあて、弁済しきれなかった債務については免責することです。さらに、破産の手続には、処分する財産がないため、破産の手続と同時に手続が終了する「同時廃止手続」と、処分する財産があるため、その財産を処分するために管財人を選任する「管財事件手続」とがあります。個人が破産する場合には、債務を弁済するための財産がない場合がほとんどですので、破産者の財産の処分は行われずに手続が終了する同時廃止手続がほとんどです。
 このように、同時廃止手続の場合には破産者の財産は処分されません。さらに、破産しても身ぐるみはがされて一文無しになるわけではありません。破産しても食器や布団等の生活用品についてはそのまま保持することが認められています。もっとも、何でもかんでも自分の都合で生活用品とすることはできません(高価な家電製品や車等)。人間は物事を自分の都合よく解釈することがあるので注意が必要です。そして、本来、処分されるべき財産を財産目録に記載せずに破産の申立てを行うと詐欺破産として債務が免責されないことになりかねません。すると、債務の弁済はできず、かといって、破産もできないといった、どうしようない状態になりかねません。
 破産の場合で問題になりやすいのは自宅です。自宅だけはどうしても失いたくないと思うのが人情ですが、不動産は高価な財産のため、どうしても処分せざるを得ません。なお、自宅を維持したい場合には個人再生の方法がありますが、債務の一部が免除されるとしても、それに加えて住宅ローンも支払っていかなければなりません。そして、支払ができなくなれば、あらためて破産を検討しなければならないため、個人再生も簡単な方法ではありません。
 なお、債務者が破産しても保証人は何ら影響を受けないため、破産者に保証人がいる場合には、保証人に支払の請求が行くことになります。そして、保証人が支払を免れるためには、保証人自身も破産する必要があります。そのため、破産する場合には事前に保証人にも話をしておく必要がある場合もあります。

 個人再生」について

■ 「個人再生」について
 個人再生とは、自己破産の場合とは異なり、債務の一部を免除してもらう手続です。免除される債務の額は債務総額の一部にとどまり残りは弁済する必要があります。そのため、個人再生の申立てをするには、その要件として「継続的または反復して収入を得る見込み」が必要であり、また、収入の変動の幅は小さくなければならず、さらに、債務総額が5000万円以下でなければならない等々の要件があります。そして、個人再生においては、再生計画案を立てて、それを裁判所に認可してもらい、その再生計画に従って、原則として3年で弁済することになります。このように個人再生は自己破産の場合と比べて、要件が複雑なり、かつ、厳しいものになっています。
 個人再生の種類には、「小規模個人再生」と「給与所得者個人再生」とがあります。本来的には、小規模個人再生は事業者による個人再生を予定しており、給与所得者個人再生はサラリーマンによる個人再生を予定しているものだと思いますが、厳格な区別はされておらず、サラリーマンが小規模個人再生の手続を行うことも可能です。そのため、サラリーマンはどちらの手続を行うこともできるため、必要に応じて使い分けることができます。具体的には、小規模個人再生と給与所得者個人再生とでは前者の方が要件がやや緩やかですが、小規模個人再生の場合には、再生計画に反対する債権者が過半数を越えてはならないという債権者の消極同意が必要になります。他方、給与所得者個人再生の場合には債権者の同意は不要です。そのため、債権者が多数存在し消極的同意が成立しそうにないような場合には、サラリーマンであっても小規模個人再生を利用する等の使い分けができます。なお、個人再生において一番重要なことは、どちらも手続をとるかよりも、債務を弁済していくための十分な収入があるということです。
 個人再生における一番のメリットは、「住宅資金特別条項」を定めることができる点です。住宅資金特別条項を用いれば、住宅ローンについては免除されませんが、住宅ローンは全額を支払うことができるため、住宅を手放さずに済むことができます。もっとも、住宅ローンがある場合には、住宅ローンに加えて免責された債務の一部を原則として3年で支払っていかなければならないため、支払いが楽ではありません。そして、個人再生を行ったものの、再生計画に従った支払ができなければ、あとは破産することを検討しなければならなくなります。

【債務整理/特定調停】



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