昔、作成した債務整理の原稿です。このサイトは原稿の保管用のサイトです。


 P1 債務整理概説



 引き直し計算/推定計算等

■ 引き直し計算
 債務整理についての依頼を受けた際には、まずは、面談を行います。そして、面談後、貸金業者に対して、受任通知を送付し、併せて、取引履歴の開示請求を行います。その後、貸金業者から開示された取引履歴をもとに引き直し計算を行います。これにより、債務の総額を確定します。なお、引き直し計算して債務が減少したり、過払い金が発生するのは、平成18年以前の取引くらいまでです。最近の取引では、まずありえません。
 それでも、引きなおし計算は債務整理の基本です。

■ 推定計算等
 引き直し計算を行うためには取引履歴が必要です。しかし、貸金業者が取引履歴を開示しない場合は、いわゆる推定計算により引き直し計算を行う方法があります。推定計算等を行う場合には何らかの借りたことや返済をしたことを証明するものが必要になります。そのため、手続が著しく煩雑になります。
 推定計算のほかに冒頭ゼロ計算といった計算方法もありますが、貸金業者から反論されることは必至のため、こちらもやはり手続が著しく煩雑になります。 

 文章提出命令/特定調停の活用

■ 文書提出命令
 貸金業者が取引履歴を開示しない場合には、文書開示命令等により取引履歴を提出させる方法があります。文書提出命令を行うためには、その前提として訴訟を提起している必要があります。そのため、文書提出命令を行いためには、まずは訴訟を提起し、次いで裁判所に文書提出命令の申立てを行う必要があります。
 文章提出命令は訴訟の場合に限定されますが、およそか資金業者が取引履歴を開示しない場合とは過払い金が発生している場合です。そのため、文章提出命令は過払い金返還訴訟において活用することができます。

■ 特定調停の活用
 特定調停上の手続として、文書提出命令や17条決定があります。特定調停は、当事者による合意による解決が原則です。しかし、裁判所が関与するため、紛争を解決するために一定の範囲で強制的な手段がとられます。これにより、紛争か解決が促進されることになります。その手段として、文章提出命令等があります。
 貸金業者が取引履歴を開示しない場合には、その後の交渉も難航することは必至のため、特定調停を活用することも一つの方法です。

 任意整理、他・特定調停

■ 任意整理、他
 まずは、貸金業者から開示された取引履歴に基づき引き直し計算を行います。そして、その計算書に基づき、残債務がある場合には分割払いの交渉をし(任意整理)、過払い金があった場合には返還請求をします(過払い金の返還請求)。貸金業者が過払い金の返還に応じない場合には訴訟を検討します。もっとも、最近は大手の貸金業者であっても倒産するようなありさまのため、そう簡単には返還してくれません。

■ 特定調停
 債務が「支払い可能」の場合で、任意整理を行っても交渉が難航するような場合には特定調停を検討します。なお、「支払い可能」の目安は三年の分割払いで返済できるかです。けだし、特定調停においては原則として三年の分割払いとなりますし、同じ裁判所における債務整理手続である個人再生においても三年の分割払いが原則だからです。

 自己破産・個人再生

■ 自己破産
 債務が「支払い不能」の場合には、自己破産や個人再生を検討します。個人再生の場合は債務が一部免責されるにすぎませんが、自己破産の場合には債務が全部免責されます。「破産」の言葉のイメージは負の印象が強くて抵抗があるかもしれませんが、借金がなくなって再スタートを切れるというメリット大きいです。

■ 個人再生
 債務が「支払い不能」の場合には、自己破産や個人再生を検討します。なお、自己破産の場合には債務は全部免責されますが、個人再生の場合は債務が一部免責されるにすぎません。しかし、個人再生の場合には自己破産と異なり住宅ローンを支払い続けることができ住宅を維持することができるメリットがあります。

 お金が戻ってくる?

■ お金が戻ってくる?(1)
 利息制限法を定める法定金利(15%〜20%)を超える金利での貸し付けは無効です。そして、法定金利を超える利息分は違法な利益となります。そのため、貸金業者との取引を法定利息で計算し、債務が残っていれば、残った債務を弁済すれば足ります。さらに、支払い過ぎていた場合には、そのお金は過払い金として返してます。

■ お金が戻ってくる?(2)
 平成18年に貸金業法・出資法・利息制限法が改正されたことにより(完全施行は平成22年)、貸金業者の金利はおおむね利息制限法の定める法定金利の範囲内の金利(5%〜20%)になっています。そのため、引き直し計算しても債務は減少しませんし、また、過払い金も発生しません。

 取り立てを待ってもらえないか?

■ 取り立て行為に対する規制
 貸金業法によれば、弁護士または司法書士が貸金業者に受任通知を送付すれば、貸金業者は債務者に対して取り立てを行うことはできなくなります。そして、その後、貸金業者との間で、毎月の弁済額を見直してもらったり、返済期間を伸ばしてもらうための交渉を行います。

■ 強制執行の中止
 債務の返済が滞れば貸金業者も法的措置をとってきます。貸金業者が法的措置をとること自体は違法な行為ではないためやむを得ないところもあります。しかし、給料等が差し押さえられると会社に迷惑がかかったり、生活が困難になったりするので、何らかの対策をとる必要があります。

 みなし弁済/悪意の受益者

■ みなし弁済
 みなし弁済とは、利息制限法を超える利息の支払いであっても、それが法律上の手続にのっとったものであれば、有効な利息の支払になる制度です。そのため、過払い金返還請求を起こした場合には貸金業者はみなし弁済の成立を主張してきます。もっとも、みなし弁済の制度は貸金業法の改正によりすでに廃止されています。
 過払い金返還請求においては、みなし弁済が問題となります。

■ 悪意の受益者
 悪意の受益者とは、法律上の利害関係がないことを知っていながら利益を得ていた者のことを言います。そして、悪意の受益者の場合には不当利得返還請求において利息を請求できます。そのため、貸金業者が悪意の受益者の場合には過払い金返還請求において利息を請求することもできます。そして、過払い金返還請求における「悪意」とは、貸金業者がみなし弁済が成立しないことを知っていたことを言います。
 過払い金返還請求においては、悪意の受益者が問題となります。

 途中完済/一連計算

■ 途中完済
 貸金業者との間で借入を繰り返した後、いったん全額を返済し、しばらくした後に再度借入をする場合もあります。このような場合には、いつから過払い金返還請求権の消滅時効が進行するのかが問題になります。けだし、消滅時効の起算日から10年が経過すると過払い金返還請求権は時効にかかってしまうからです。貸金業者はいったん全額を返し終わった際から過払い金返還請求権の消滅時効が進行する主張してきます。しかし、ひとまずは一連計算で計算します。
 過払い金返還請求においては、途中完済が問題となります。

■ 一連計算
 一連計算を行うに当たっては、基本契約が同一であり、かつ、前の取引と後の取引との間のブランクがなければ一連計算も比較的容易ですが、そうでなければ苦労します。そもそも、過払い金返還請求訴訟は比較的証拠に困らない訴訟です。しかし、取引の一連性を主張・立証するためには証拠の収集に苦労することもあります。
 過払い金返還請求においては、一連計算が問題となります。



 債務整理手続

■ 債務整理手続
 任意整理  毎月の返済額と返済期間についての交渉を行う手続です。
 特定調停  調停により原則として3年の分割払いにする手続です。
 自己破産  破産することにより債務を全額免除してもらう手続です。
 個人再生  債務を一部免除してもらい残りを分割で支払っていく手続です。

@ 面談〜受任
 依頼者と直接面談して債務整理の方針を検討します。
 面談の際には本人確認を行う必要がありますので、持ち物として運転免許証等が必要になります。面談後、依頼していただける場合には委任状を作成します。他方、もう少し考えたい場合にはひとまず面談は終了です。

A 受任通知・開示請求
 受任後は、貸金業者に受任通知を送付して受任した旨を知らせます。さらに、貸金業者に対して取引履歴の開示請求も行います。これにより取り立ては止まります。

B 引き直し計算
 取引履歴開示後、引き直し計算を行い債務の残額を確定します。そして、@支払不能でない場合には、貸金業者と分割払いの和解交渉を行います。他方、A支払不能と判断した場合には、破産・個人再生を検討します。B過払い金があった場合には、貸金業者に対して返還請求します。

C 和解書作成・特定調停・訴訟
 まず、和解が成立した場合には、和解書を作成します。他方、和解が成立しなかった場合には、特定調停を検討します。過払い金について貸金業者が返還に応じない場合には訴訟を検討します。

 債務整理指針・他

■ 債務整理指針・他
債務整理事件における報酬に関する指針(抜粋)】
1 任意整理事件を受任した場合には、定額報酬として債権者一人当たり5万円を越える額を請求し、又は受領してはならない。(指針5条)
2 減額報酬を請求し、又は受領するときは、減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として、その経済的利益に10パーセントの割合を乗じた金額を超える金額を減額報酬として請求し、又は受領してはならない。(指針6条1項)
3 代理人として過払い金を回収したときは、その回収した金額を経済的利益として、その経済的利益に次の割合を乗じた金額を超える額を過払金返還報酬として請求し、又は受領してはならない。
 訴訟によらず回収した場合 20パーセント
 訴訟により回収した場合 25パーセント(指針7条)
4 債務整理事件において、その債務を債権者に分割して支払うことを代行するときは、代行する支払いごとに実費に相当する額を含めて千円を超える額を請求し、又は受領してはならない。(指針8条)

静岡県司法書士会債務整理に関する規則(抜粋)】
1 儲かりそうな過払いの見込める貸金業者の事件だけを受け、そうでないヤミ金事件は受けない、ということはしない。(規則4条)
2 受任時には必ず依頼者と面談を行う。面談は受任時及び方針を決定する時ともに行う。(規則5条・9条)
3 あらかじめ依頼者に対して報酬の額及び報酬算定の基準を明らかにし、受任の際には委任の範囲を示した委任状を依頼者に交付する。(規則6条)
4 依頼者から預かったお金は自己のお金と区別して私的に流用しない。誤解を招く恐れがあるため依頼者名義の通帳を預るようなこともしない。(規則8条)
5 依頼者から預った書類はしっかりと依頼者に返却する。(規則10条)

 ブラックリスト

■ ブラックリスト
 ブラックリストとは、民間の信用情報機関が、個人の債務の弁済の遅延債務整理の開始破産の申立て等の事故情報を収集してデーターベース化したものです。しかし、そもそもブラックリストの名称自体が通称です。信用情報機関は、債務整理の開始や破産の申立てといった「事故情報」だけでなく、債務者の氏名や住所等の「申込情報」、契約年月日や貸付金額といった「取引情報」もデーターベース化しており、特に事故情報だけをブラックリストとしてデーターベース化しているわけではありません。
 ブラックリストは、いかにも国や公の機関が作成しているように思われがちですが、民間の信用情報機関が作成しているものにすぎません。民間の信用情報機関としては、日本信用情報機構(JICC)CIC全国銀行個人情報信用センター等があります。ブラックリストに掲載されると何か大変なことになったように思えますが、ブラックリストは民間の信用情報機関が作成しているものなので、それほど大変なことではありません。
 また、ブラックリストの情報内容は個人の経済的信用に関するものに限られます。具体的には、延滞・延滞の解消・保証会社による弁済・契約の見直し・債務整理・破産・個人再生等です。もっとも、事故情報の明確な定義はないため、内容は各信用情報機関により異なる場合もあります。さらに、事故情報の登録期間も5年から10年くらいとなっていますので、期間が過ぎれば登録は抹消されます。
 このように、ブラックリストは、民間の会社が作成したものにすぎず、その内容も経済的信用に関するものにすぎません。そのため、ブラックリストに登録されても社会的に抹殺されるわけではないので、ブラックリストに登録されたとしても必要以上に気にする必要はありません。
 なお、ブラックリストに登録されると経済的信用を失うため一定の不利益を受けます。具体的には、消費者金融から借入ができなくなります。また、クレジットカードを作ることもできなくなります。さらに、ローンを組むこともできなくなります。もっとも、クレジットカード等が使えなくとも、買い物は現金で支払えばよく、光熱費等の支払いも通帳からの引き落しにすれば、普通の生活を送ることは十分に可能です。むしろ、ブラックリストに登録されたくないため借金問題を放置し、あげくの果てに夜逃げ等する羽目になったら、それは全くの本末転倒です。

【借金問題・債務整理】



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